インド その1

 

 

 

 

 

 

 
帰省中に大学時代インド放浪したときの写真の一部を発掘したので整理しながら公開していきたいと思います。
リバーサルフィルムで撮って現像したまま一度もプリントすることもなく、誰にも見せることもなく放置してた。
実は自分もこんな大きい画像で見るのはじめて。何故こんなに長いこと放置していたのかというと、なんというか
インドに負けたというか、帰国して写真の敗北を感じたというか、インドはどう撮ってもインドにしかならなくて
別に自分が撮らなくてもいいような気がした。その後写真もやめた。いま見てみると他人の写真みたいで面白い。
1枚目の廃墟は南インドのプリーなんですけど、残りの写真は何処で撮ったのか撮った状況もまったく思い出せない。
大学4年最後の春休みだったのですけど、自分は若いころからあまり友達もいなくて卒業式もバックレてそのまま
1人でインドをブラブラしてたのですけど、新社会人として初出社する前々日ぐらいにぎりぎりに帰国しました。
結局会社はバックレなかった。バブル崩壊後の長い就職氷河期になんとか潜りこんだ広告制作会社に行くことにした。
けどインドでの体験と新社会人としての日常のギャップが酷く次元があまりにも違いすぎて、自分こんなところで
一体何してるんだろう?と思いながら会社に行ってたものだから、毎日のようにけちょんけちょんに怒られてた。
当時紙媒体のデザイナーとして就職したのですけど、インドでは生きているだけでもう十分じゃないかと思えるのに
日本の会社の日常ではミリ単位のことで怒鳴られる。あまりにもシュールな世界に見えた。会社では心のない機械か
空気人形みたいにやり過ごしていたけど、それはそれで会社に失礼だと思うようになり1年ちょっとで辞めました。
インドではホテルと食事代入れても1日数百円で過ごせるので、ビザが切れる半年ぎりぎりまで帰国せずにブラブラ
している日本人に何人も会ったけど、インド人として生きる覚悟もなく、もし自分が何かから逃げているだけならば
それが何なのかちゃんと向き合う必要があるな、と考えられる程度におっさんになりました。
いまインドに行くとしたら逃避先でも自分探しの場でもない、ただインドに会いたいです。