Dr.パルナサスの鏡



 
ぼくのまえに道はない。ってこともない。ぼくのうしろに道はできる。ってほどでもない。ちょっと宙に浮いてきたから。
道をどんどん行くと次々と分岐点が立ち現れる。些細なものから大きなものまで。何を食べるかとかどんな服を着るかとか
何処へ出かけるかとか誰と会うのか誰と付き合うのかどの言葉を選ぶのか何を学んでどの職に就くかに至るまで「選択」は
続くよ何処までも。淡く積もった雪に残されたネコやら犬やら人やらの足跡の軌跡を眺めながら映画館に辿りついたので
Dr.パルナサスの鏡」を観てきた。Dr.パルナサスの鏡は自分を映し出す鏡。「選択」の結果が自分の世界のすべて。
テリー・ギリアムは「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」以来なんだけど久しぶりにイギリスの香りがする映画だった。
ピーター・グリーナウェイとかデレク・ジャーマンの映画が醸し出してきたようなあのどこか懐かしいヘンタイのかほり。
モンティ・パイソンもそうだけど、だいたい自分が好きな変態モノのルーツってイギリスに辿り着く気がするのね。
美術だったらギルバート&ジョージとかダミアン・ハーストとかフランシス・ベーコンとか。ベーコンは奇怪な肉塊みたいな
絵を描く人で顔も完全にイッちゃってる感じだったしダミアン・ハーストは牛をまっ二つ割ってホルマリン漬けにするし、
ギルバート&ジョージに至ってはウンコまでアートにしてた。変態の選択は変態ワールドを創造してた。みな変態の鏡やった。
 

変態UK XTC